ABOUT

BRIAN ENO AMBIENT KYOTO

「ありきたりな日常を手放し、別の世界に身を委ねることで、自分の想像力を自由に発揮することができるのです」━ ブライアン・イーノ

2022年6月3日−9月3日
京都中央信用金庫 旧厚生センター

ヴィジュアル・アートに革命を
もたらしたブライアン・イーノによる
音と光のインスタレーション展

VISUAL ARTIST
BRIAN ENO

写真:セシリー・イーノ(Cecily Eno)

「アートは人々に何かをもたらすために存在しているので はないか」。このイーノの問いかけは、彼の芸術を、革新的であると同時に人々に広く開かれているものにしている。ヴィジュアル・アートのパイオニアとしてのみならず、アンビエントの創始者であり、世界で最も多く聞かれたサウンドのひとつWindows95の起動音を制作したように、彼の活動は、われわれの身近なカルチャーや生活にまで及ぶ。さらに彼は、世界的大プロデューサーであり、環境問題をはじめとする社会活動にいち早く取り組んできたアクティヴィストでもある。

❶ ヴィジュアル・アートのパイオニア
音と光がシンクロしながら途絶えることなく変化し続ける空間芸術。 イーノが提唱したこの「ジェネレーティヴ・アート」は、ヴィジュアル・ アートに革命をもたらした。

❷ アンビエント・ミュージックの創始者
興味深く聞くことも、聞き流すことも、無視することもできるという、あらゆる聞き方を受容する「アンビエント・ミュージック」。それは発想の転換であり、20世紀の音楽文化におけるもっとも重要な革命のひとつ。

❸ アクティヴィスト
よりよき社会を目指して早くから社会的活動を行ってきたイーノは、 気候変動問題の解決を目的とした慈善団体「EarthPercent」を新たに設立。本イベントも収益の一部を寄付。
earthpercent.com

❹ 歴史的大プロデューサー
デヴィッド・ボウイ、U2、コールドプレイと手掛けた作品が世界的大ヒット、そしていずれもが音楽史に名を残す名盤に。イーノは常に大衆文化との接点を大切にしつつ、そこに自分の芸術性を融合させることも忘れない。

❺ トリビア Windows95 の起動音の制作、新小惑星 に「イーノ」の名が冠される。

BRIAN ENOとは?

HIGHLIGHT
AMBIENT KYOTO

音と光がシンクロしながら途絶えることなく変化し続ける。
イーノのインスタレーション展はその空間のその時にしか体験できないアートであり観客の誰もが違う体験をすることができる参加型の音と光による空間芸術。
築90年の歴史ある建築物の会場は、丸ごとイーノのアートで彩られた空間となる。

1. ヴィジュアル・アートに革命をもたらしたイーノの空間芸術。

「川のほとりに座っているような、絶え間ない変化と同時に不変の体験をしたかったのです」 by ブライアン・イーノ

イーノは音楽制作において、反復でない、途絶えることなく続き、そして常に変化し続ける音楽を「ジェネレーティヴ・ミュージック」と提唱し作品を発表してきた。その手法をヴィジュアルの分野でも用い、音と光の双方が途絶えることなく変化し、そしてシンクロしあう、「ジェネレーティヴ・アート」という空間芸術をつくりあげ、ヴィジュアル・アート界に革命をもたらした。

2. その空間のその時にしか体験できない参加型インスタレーション展。

興味深く聞くことも、ただ聞き流すことも、無視することもできるというリスナー主体の、あらゆる聞き方を受容する「アンビエント・ミュージック」。その創始者イーノは、インスタレーション展においても、観客のあらゆる接し方を受容する空間を作り上げた。絶え間なく変化し続ける音と光がシンクロする空間において、観客は、いつきたのか、部屋のどこにいたかによって他の誰とも違う体験をすることができる。この観客が主体となるインスタレーション展は、その空間のその時にしか体験できない、参加型のインスタレーション展だ。

3. コロナ禍において行われる初の大規模なインスタレーション展。舞台は京都。

イーノは、コロナ禍以降、はじめて大規模なインスタレーション展を行う。舞台は京都 ———芸術家としての活動のみならず、環境問題など社会活動にも早くから取り組んできたイーノが、世界的文化都市の地で、どのようなメッセージを発するのだろうか。日本のみならず世界が注目する中、2022年6月開幕する。 会場は、築90年の歴史ある建築物「京都中央信用金庫 旧厚生センター」を、建物丸ごとイーノのアートで彩る。

EXHIBITS

『77 Million Paintings』

イーノが‟Visual Music”(視覚的音楽)として着想した『77 Million Paintings』は、音と光が途絶えることなく変化する、どの瞬間もが唯一無二となる空間芸術。ヴィジュアル・アート界を代表する本作は、光の芸術的表現と、新しいテクノロジーの美的可能性への探究心から誕生しました。 2006年ラフォーレミュージアム原宿にて世界で初めて出展、その間アップデイトを繰り返しながら世界各地を巡回すること47回、世界中のアート・ファンを魅了し、ヴィジュアル・アート界を代表する作品となりました。2022年、16年ぶりに帰還します。

『The Ship』

タイタニック号の沈没、第一次世界大戦、そして傲慢さとパラノイアの間を揺れ動き続ける人間をコンセプトの出発点とした作品。音楽、インスタレーション、そして作曲という彼の仕事の主な3つの側面が集約されています。イーノは展示空間の個別の条件に合わせてインスタレーションをデザインし、絶えずそれを発展させ、リスナーに瞑想的かつ刺激的な体験を提供しています。2014年、スウェーデンのストックホルムにて初展示された作品。

『Light Boxes』

光りながら常に新たな色彩の組み合わせへと変わってゆく、LED技術を駆使した光の作品。作品の表面下にあるボックスが照らされ、光の色の組み合わせがゆっくりと変化するとき、作品に対する見方も変化し、流れるような光の魅惑的な世界に引き込まれてゆきます。2014年、イギリスのホヴにて初展示された作品。 



『Face to Face』


 世界初公開作品。ランダムなパターンとその組み合わせによって、予期せぬアート作品を生み出す可能性を追求した作品。 この作品は、実在する21人の人物の顔をそれぞれ1枚の静止画に収めた小さな写真群から始まりました。特殊なソフトウェアを使い、画像は1つの本物の顔から別の顔へと、ピクセル単位でゆっくりと変化してゆきます。これが、実際には存在しなかった人々、中間的な人間など、一人一人の本物の顔の間に「新しい人間」の長い連鎖を生み出し、毎秒30人ずつ、36,000人以上の新しい顔を誕生させることができます

『The Lighthouse』

日本初公開となる『The Lighthouse』は、展覧会の作品『Light Boxes』と『Face to Face』に加え、Sonosスピーカ ーを通じて会場内の廊下や階段、化粧室などで流れるオーディオ作品です。各展示や会場内をシームレスにつなぐことで、 どこにいても音を体感できます。

『The Lighthouse』は、ブライアン・イーノの膨大な未発表作品のアーカイブに特化した限定ラジオ・ステーションとし てSonos Radio HDにて公開中。「Sonos Radio HD」は、オーディオ機器メーカー、Sonosのユーザーが利用できるス トリーミング・サービスです。(現在日本では未公開)

全作品のラインナップは、世界初展示となる作品『Face to Face』、そしてイーノのヴィジュアル・アートを代表する3 作品『77 Million Paintings』、『The Ship』、『Light Boxes』の合計4作品です。また、日本初公開となる音源『The Lighthouse』が、作品展示室のみならず、展示室以外の全てのスペースにてシームレスに流れ、築90年の歴史ある建築物 である会場がまるごとイーノの作品で彩られることとなりました。

https://brian-eno.net/